「暇になったら旅行行きたいなあ」。社会人になりたての頃、僕はよくこう言っていた。そして気づいた。暇は、待っていても永遠に来ない。
いまの僕は逆をやっている。遊びの予定をカレンダーに先に入れて、仕事をその隙間に詰める。この「遊びファースト」に切り替えてから、遊びの量も仕事の効率も両方上がったという話を書く。
「暇になったら」の暇は来ない
若手の頃の僕は、仕事の予定が全部埋まってから、余った日で遊びを計画していた。結果はひどいもんで、気づけば数ヶ月、飲み会以外の予定がない。
仕事には不思議な性質がある。空いている時間があると、そこを埋めるまで膨張するのだ。パーキンソンの法則というやつで、締切が遠い仕事は遠いなりに、時間いっぱいまで太る。
つまり「暇になったら遊ぶ」という戦略は、構造的に破綻している。仕事が先に全部の時間を予約しにくるからだ。
遊びを先に入れてみた
転機は数年前。友人と「来月の平日、休み取って旅行しよう」と、ノリで先に約束してしまったときだ。
正直、その週は仕事が読めなくて不安やった。ところが蓋を開けると、旅行前日までに仕事はきっちり終わった。締切ができた瞬間、段取りが変わったのだ。前倒しで詰める、人に頼む、優先度の低いものを切る。普段やらない工夫を、遊びのためなら人間は平気でやる。
平日の温泉街は空いていて安くて最高で、しかも仕事も回った。あの旅行で僕の設計思想は変わった。遊びは余り物の時間でやるものやなく、先に確保するものだ。
攻めの有給の作法
とはいえ、職場で気持ちよく休むには作法がいる。僕が守っているのは3つだ。
- 早めに宣言する。直前の「明日休みます」は周りが困る。1ヶ月前に「この日は休みます」と言えば、チームはそれ込みで計画してくれる。早い宣言は配慮である。
- 引き継ぎメモを一枚置いていく。進行中の件と、困った時の連絡先だけ書いた簡単なやつ。これがあるだけで、休み中の電話はほぼ鳴らない。
- 罪悪感を持たない。そして休む理由を盛らない。「旅行なんで」と正直に言う。有給は権利で、理由の審査はない。堂々と取る人が増えるほど、職場は休みやすくなる。最初の一人になる価値はある。
遊びは仕事に還ってくる
もう一つ、6年やって確信していることがある。ちゃんと遊んでいる人のほうが、仕事の引き出しが多い。
僕の場合、飲み会や旅先で仕入れた話が企画の種になったり、初めての体験が発想の元になったりする。単調な仕事を面白くする工夫を仕事ゲーム化の記事に書いたけど、あの発想力の燃料も、元をたどれば遊びである。
それに、「あの旅行のために今週は頑張る」という目の前のニンジンは、モチベーション管理として何より強力だ。遊びは仕事の敵やなくて、仕事の燃料タンクなのだ。
毎日パーティへの布石として
僕の野望は毎日パーティすることで、これは究極の遊びファースト人生である。いきなりそこには行けないから、まずは週単位で遊びを先置きする練習をしている、とも言える。
遊びを予定の主役に置く生き方は、訓練で身につく技術だ。カレンダーの一番いい席を、仕事やなくて自分の人生に譲る。その練習の第一歩が、1ヶ月先の平日に有給を1日入れることである。
まとめ
要点は3つ。
- 「暇になったら遊ぶ」は破綻している。仕事は空き時間を埋めるまで膨張する
- 遊びを先に入れると締切効果で仕事も速くなる。作法は早め宣言と引き継ぎメモ
- 遊びは仕事の燃料。ちゃんと遊ぶ人ほど引き出しが増える
いますぐカレンダーを開いて、来月の平日に「遊び」と一件入れてみてほしい。その瞬間から、今月の仕事がちょっと速くなるから。