どんなに好きな仕事にも、つまらない工程は必ずある。エンジニア6年目の僕でも、単調な作業の日はある。
ただ僕は「楽しくないものは続かない」と確信しているので、つまらない仕事はつまらないまま放置しない。自分で面白くする。この記事では、僕が実際にやっている「仕事のゲーム化」を書く。
つまらない仕事は消えない
先に現実の話をすると、つまらない工程をゼロにするのは無理だ。華やかな新機能開発の裏には、地味な動作確認、ログの調査、資料の更新が山ほどある。
「つまらない仕事を無くす」方向の努力は自動化を含めて大事だ。でも全部は消えない。だったら、残った分への向き合い方を変えるほうが早い。
向き合い方とはつまり、ルールの追加である。ゲームとは、ルールが面白さを作る装置のことやからだ。
きっかけはテスト消化週間
始まりは数年前。リリース前の手動テストを、1週間でおよそ200件消化する担当になった。画面を開いて、操作して、結果を記録する。それの繰り返しである。正直、修行やと思った。
2日目の朝、ふと思いついて1件あたりの所要時間を計り始めた。「午前中に30件いけるか」を自分と勝負にしたのだ。
すると不思議なもので、昼休みに「32件。自己ベスト」とか言い出す自分がいた。作業内容は何も変わっていないのに、体感が全く違う。しかも所要時間を計ったおかげで、残作業の見積もりまで正確になった。遊びのつもりが、進捗報告の精度まで上がったのである。
ゲーム化の3パターン
それ以来いろいろ試して、手応えのあった型が3つある。
- タイムアタック型。単純作業向き。1件あたりの時間を計り、自己ベストを更新しにいく。コツは「品質チェックの手順は絶対に削らない」というルールをセットにすること。
- 縛りプレイ型。慣れた作業向き。「今日はマウスを極力使わない」「この資料は語尾を全部言い切りで書く」など、自分に制約を課す。作業のついでにスキルが1個育つ。
- 実況型。調査系の作業向き。ログを追いながら、頭の中で自分に実況中継をつける。「おっと、ここでエラーコードが変わった。これは怪しい」。ふざけているようで、思考が言語化されるので調査メモがそのまま書ける。
なぜゲーム化が効くのか
理屈も少し考えてみた。つまらなさの正体は、作業そのものより「やらされている感」にあると思う。
ゲーム化は、他人に決められた作業の上に「自分で決めたルール」を重ねる行為だ。ルールを自分で決めた瞬間、その時間の主導権がこっちに戻ってくる。やらされ仕事が、自分の遊び場になる。
仕事のしんどさは、根性やなく仕組みで減らすのが僕の流儀だ。抱え込みを15分ルールという仕組みで防ぐ話を頼る技術の記事に書いたけど、あれと根っこは同じである。
やってはいけないゲーム化
一応、注意点も書いておく。賭けていいのは自分の時間と工夫だけで、品質を賭けたらあかん。
タイムアタックで確認手順を飛ばし始めたら、それはゲームではなくただの手抜きだ。ルールはあくまで「同じ品質をどう面白く達成するか」に張る。
あと、ゲームに勝つこと自体が目的化して、本来の目的を見失うのも本末転倒だ。ゲームは主役やなくて、あくまで作業のスパイスである。
まとめ
要点は3つ。
- つまらない工程は消えない。なら向き合い方にルールを足して面白くする
- 型は「タイムアタック」「縛りプレイ」「実況」の3つ
- 賭けるのは時間と工夫だけ。品質は絶対に賭けない
今日の午後、単調な作業が待っている人は、まずストップウォッチだけ用意してみてほしい。作業は変わらんのに、時間の流れが変わるから。