仕事・人生論

給料はヒトに使うのが一番増える。6年目SEの交際費投資論

社会人6年目にもなると、給料の使い方にその人の人生観が出てくる。投資に全振りする人、趣味に注ぎ込む人、堅実に貯める人。

僕の結論はシンプルで、「ヒトに使う金がいちばんリターンがでかい」だ。ガジェット好きのエンジニアがこの結論に至るまでの話と、交際費を投資として運用する僕なりの考え方を書く。

ガジェットの満足は3日で終わった

エンジニアの例に漏れず、僕もガジェットが好きだ。数年前、ボーナスで高級キーボードと、ノイズキャンセリングの効いた高いヘッドホンを一気に買った。

買った日の満足感はすごかった。打鍵の音まで愛おしい。でも正直に白状すると、その高揚は3日で日常になった。1ヶ月後には「ある」のが当たり前になり、幸福度への寄与は感じなくなった。道具としては今も優秀やけど、あの値段分の「嬉しさ」が続いたかというと、続いていない。

一方で同じ頃、地元の友人に会うためだけに使った週末の交通費と飲み代がある。金額はキーボードの何分の一か。でもあの夜の記憶は、数年経ったいまでも取り出して笑える。

モノ・コト・ヒトの三段階

この経験から、僕は支出を「モノ・コト・ヒト」の3つに分けて考えるようになった。

モノへの支出は、慣れで目減りする。人間はどんな贅沢にも慣れる生き物だからだ。コトへの支出、つまり旅行や体験は、記憶として残る分だけ目減りが遅い。

そしてヒトへの支出だけが、時間とともに増える可能性を持っている。一緒に飯を食った相手との関係は、その後も育ち続けるからだ。モノは減価償却、ヒトは複利。乱暴なまとめ方やけど、体感としてはこれが一番しっくりくる。

交際費は消費やなく投資

だから僕は、家計簿の「交際費」を消費だと思っていない。投資口座だと思っている。

飲み会で得られるのは、その場の楽しさだけやない。信頼、情報、いざという時に頼り合える関係。人間関係が預金になって、困った時に引き出せるという話は頼る技術の記事に書いたとおりだ。その預金の入金手段が、僕の場合は飲み代である。

実際、いま僕が持っている面白い情報や人の縁は、ほぼすべて誰かとの飯の席から来ている。利回りで言えば、僕の支出の中で交際費がぶっちぎりの一位だ。

僕が意識している使い方3つ

ヒト投資にも、僕なりの運用方針がある。

  • 後輩との飯は多めに出す。自分が若手の頃、先輩に奢られた分を下の世代に流す。直接のリターンは求めない。回り回って文化として返ってくる。
  • 「会いに行く交通費」は即決する。久しぶりの友人の「今度飲もう」を社交辞令で終わらせず、日程を決めて会いに行く。距離を言い訳にしたら、関係は静かに死ぬ。
  • ご祝儀と餞別はケチらない。人生の節目に立ち会う金は、金額以上の意味を持つ。ここで渋った記憶は、自分の中に一生残る。

ただし、なんでも使えばいいわけやない

誤解のないように書いておくと、これは浪費のすすめではない。

気の進まない飲み会に義理で払う金は、投資やなくただの損失だ。僕も「この会は僕の人生に要らん」と思ったら、はっきり断る。ヒト投資の原資を守るために、モノへの支出も見栄への支出も削る。メリハリがあってこその集中投資である。

それに、金をかけずに人に投資する方法もいくらでもある。時間を使う、話を聞く、紹介で繋ぐ。金はあくまで手段の一つだ。

まとめ

要点は3つ。

  • モノの満足は慣れで目減りする。ヒトとの関係は複利で育つ
  • 交際費は消費ではなく投資。信頼・情報・縁というリターンがある
  • ただし義理の飲み会は損失。断る勇気とセットで運用する

次のボーナス、何に使うか迷っている人へ。新しいガジェットも悪くないけど、しばらく会っていないあの人との飯に使う数千円、たぶんそっちのほうが10年後に残ってるで。

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